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海 外 の 川 柳 事 情 川柳人協会会員  江 崎 紫 峰

【アメリカの川柳】

(2)川柳に見る日系移民百年史

関三脚氏が羅府新報の羅新川柳欄(1938年開設)等から集録した約700句の川柳を戦前、戦中、戦後に分けて7句ずつ紹介する。


①戦前の作品(プライバシー保護のために作者名は伏す。以下同じ)

  犬のような名前もらって皿洗う

  電球が湯たんぽになる夜の冷え

  市民権産んだ手柄の女房なり

  踏まれつつ二世は強く伸びて行き

  市民権なくてまたもや泣き寝入り

  秀才も雇ってくれぬ肌の色

  ヤンキーになれずジャップに亦なれず

②戦中の作品(収容所内で句会を開き、句会報を作成回覧した)

  一時間待った食事の軽い皿

  生きるため誇りを捨てて列に入り

  統制で皮食う事も教えられ

  しあわせな草がフェンスの外に生え

  宿命の子は日本へ銃を向け

  忠誠を遺骨となって認められ

  発狂のあとも帰国を口走り

③戦後の作品

  さげすみの涙に一人ミシン踏む

  進駐の子に親切であれと書き

  土地法の過去を笑って土地に生き

  国訛りハンバーガーに風化せず

  一世の枕木あって客車行く

  根づかせた桜を愛でて移民逝く

  イチローに忍者を見てるアメリカン

④粂井輝子白百合女子大学教授の評価

川柳の作品は、例外的な天分をもつ個人の単発的な作品ではない。コミュニティーとしての広がりと継続性を持っている。アメリカの川柳は生活感にあふれ、移民の喜怒哀楽をいきいきと伝えている。

社会史の視点から見ると、日々の生活が即時的に、しかもある程度の人数に詠まれている点に、作品の質とは切り離して考えても、資料的価値がある。

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