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平成28年度

平成27年度
川柳文化祭1部(平成24年11月)




『音』
篠田 東星選
人間を支配小癪な電子音
(客)若月  葉
支給日は行進曲に乗って来る
(客)米島 暁子
芝刈り機隣の庭が唸り出し
(客)堀井  勉
ほんとうの音が恋しい指話と指話
(客)西潟賢一郎
新聞の音読今日が立ち上がる
(客)井出ゆう子
豊穣を喜び躍る笛太鼓
(人)新井 良夫
宿敵の羽音闘志に火をつける
(地)小金沢綏子
バラバラの音符束ねるにぎり飯
(天)荻原 鹿声

『ノー(NO)』
渡辺 梢選
ノーメークここぞの時に立ち上がる
(客)永井 静佳
延命は拒否天国で詩を読む
(客)津田  暹
フクシマの牛はマイクに応えない
(客)荻原 鹿声
割り切れぬ話キャベツを真っ二つ
(客)魚地 芳江
ジンクスがよせと言うから行きません
(客)井出ゆう子
本心はノーノーノーのイエスマン
(人)二宮 茂男
病院を終の住処にさせません
(地)井出ゆう子
原発を断つ赤ちゃんの足の裏
(天)山口 早苗

『はかない』
五十嵐 修選
表情のない顔顔のケアホーム
(客)若月  葉
難病の子を助けられない無常
(客)いしがみ鉄
人の世は無常の夢の走馬灯
(客)懽守いくを
散る花に託す無言の相聞歌
(客)新井千恵子
真っ当に生きた柩が軽すぎる
(客)齊藤由紀子
才能がはかなく散った無言劇
(人)大戸 和興
陽炎の向こうで幻想が揺れる
(地)北山 蕗子
永遠の命などない曼珠沙華
(天)國嶋  武

『秘密』
荻原 美和子選
繁栄の陰で過労死伏せられる
(客)中西 隆雄
筋書きが狂い秘密が噴火する
(客)布施 ちえ
真相は誰にも話さないメタボ
(客)畑 多聞子
ポケットの中で秘密が太りだす
(客)篠田 東星
目配せが記憶回路を白にする
(客)堀井  勉
法律に触れぬ微罪を抱いている
(人)木崎 栄昇
耳打ちが仲間意識を強くする
(地)福士 哲夫
モザイクの下で秘密が太りだす
(天)阿部  勲

『深い』
中西 隆雄選
豊かさの中で迷路が深くなり
(客)井上 東風
故郷の森に思考を積み上げる
(客)大河原信昭
谷底に落とされ野望組み立てる
(客)篠崎 紀子
リストラの深手は鬼の牙も抜き
(客)西潟賢一郎
両陛下その眼差しが慈悲深い
(客)堀井  勉
掛け違う釦に深くなる樹海
(人)荻原 鹿声
二極化の街で疑い深くなる
(地)上村  脩
真実を彫る碑の深き文字
(天)西潟賢一郎

『ペース』
中島 和子選
リハビリの焦りはしないカタツムリ
(客)久郷せつ子
褪せてきた仮面の修理忙しい
(客)近江あきら
お役所の文書に深い隠し味
(客)横塚 隆志
ペース守って適量の凪にいる
(客)荻原美和子
恍惚の世話足踏みを許さない
(客)西潟賢一郎
高齢化世帯冬支度が早い
(人)西潟賢一郎
おもちゃ箱から兵隊が歩きだす
(地)佐藤 美文
終の絵を飾る歩調を整える
(天)木崎 栄昇

『慕情』
竹本 瓢太郎選
ときめきが消えないうちに切符買う
(客)魚地 芳江
残照が胸の慕情を掻き立てる
(客)宮内みの里
再会へ断ち切った愛甦る
(客)堀江 加代
残された妻の湯飲みで独り酌む
(客)長瀬 煕美
更年期慕情のかけら突き刺さる
(人)徳永 妙子
古タンス亡母の顔が甦る
(地)篠崎 紀子
独り飲む酒が想いを膨らませ
(天)佐藤 孔亮

『守る』
清水 香代子選
改革の不備突いてくる既得権
(客)坂野 照明
日本の農を守ってきた棚田
(客)大戸 和興
砂の城それでも死守のうさぎ小屋
(客)若月  葉
愛し子へ青い地球をガードする
(客)大野 征子
貧しくも自分の色で旗立てる
(客)魚地 芳江
原発へノー次世代の子の為に
(人)小倉 利江
尖閣は固有領土と譲れない
(地)宮内みの里
風雪に耐えて九条揺るぎ無い
(天)山田こいし

 

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